
足立区の支援制度、ざっくり言うと
足立区には社会人向けの奨学金返済支援助成があります。前年に返済した額の2分の1(年10万円まで)が助成され、最長10年・最大100万円。区に住み続ける人を後押しする制度です。
耐震助成を大幅に拡充中です。都の被害想定で全壊棟数・死者数が23区最多となったことを受けたもので、木造住宅の耐震改修は工事費の9割・上限150万円(新耐震の特定地域なら200万円)。
出産すると区独自の出産費助成が子ども1人につき上限10万円(双子なら20万円)。区立小中学校の給食費は無償で、新1年生には入学準備金10万円(私立を含む)もあります。
水害リスクの高い区らしく止水板の設置助成(2分の1・上限50万円)も。いっぽう三世代同居支援や住宅取得補助は確認できませんでした。
📌 申請前に必ず公式サイトで確認を
このページの金額・対象・申請期間は2026年9月時点でまとめたものです。補助金・給付金は年度ごとに内容が変わり、予算の上限に達すると年度の途中でも受付が終了します。申請を考えるときは、必ず各制度の足立区公式ページ、または担当窓口で最新の情報を確認してください。
ここからは、足立区の主な補助金・給付金を「住宅」「子育て」「結婚・移住」の3つのジャンルに分けて紹介します。それぞれのカードから、足立区の公式ページに進めます。
🏠 住宅・リフォーム・省エネの補助金
🔨 木造住宅の耐震診断・改修助成(9割・上限150万円)
背景:令和4年の東京都の被害想定で全壊棟数・死者数・負傷者数が23区最多となったことを受け、区は地震対策の助成を拡充しています耐震診断:木造戸建=上限30万円/木造共同住宅=診断費の5割・上限500万円等のいずれか少ない額。契約前の事前申請が必要です耐震改修工事:戸建=工事費の9割・上限150万円/除却工事も9割・上限150万円/共同住宅の改修=5割・上限3,000万円★新耐震(グレーゾーン)も対象:昭和56年6月〜平成12年5月に建築された在来軸組工法・2階建て以下の住宅も、診断が最大30万円、改修が工事費の9割で一般地域最大150万円・特定地域最大200万円。令和6年4月からは除却工事助成も始まりました★注意:この拡充は令和8年度(令和9年3月)まで延長されたもので、区のページには「令和8年3月の議会承認が必要」との注記があります。年度によって内容が変わる可能性があります
🌊 止水板設置工事助成(2分の1・上限50万円)
助成額:建物1棟につき上限50万円(対象工事費(税抜)の2分の1)対象工事:建物の出入口等への止水板の設置工事と、それと一体で行う関連工事(内外壁の防水、土間コンクリート打設など)対象者:区内の住宅・店舗・事務所等の所有者または使用者で、区に住民登録のある個人/区内に登記のある法人/マンション管理組合/令和8年4月から追加された民間の要配慮者利用施設の所有者・管理者★対象外:止水板の購入のみは対象外です。また掘削地下室(半地下を含む)がある建物への設置(令和5年3月以前の確認済証交付建物を除く)、住民税の滞納がある方、交付決定前の着工も対象外です受付:令和8年4月1日〜令和9年1月29日(工事完了届は令和9年2月26日まで)。申請状況により早期に終了することがあります
⚡ 感震ブレーカー/家具転倒防止/消火器・火災警報器
感震ブレーカー:一般世帯=設置費の3分の2・最大5万円/特例世帯(65歳以上・要介護3〜5・障がい者・非課税のみの世帯)=全額・最大8万円。令和7年7月15日から区内全域に拡大されました★感震ブレーカーの注意:事前の申込が必須で、申し込む前に工事をすると対象外になります家具等転倒防止・窓ガラス飛散防止工事:限度額10万円(5万円から10万円に拡充中)。区内在住で自己所有の住宅に居住していること(賃貸は所有者の承諾が必要)。1世帯1回(10年経過後に再申請可)で、区内の施工業者が条件です消火器・住宅用火災警報器:消火器=対象経費の全額・上限1万円/住宅用火災警報器=全額・上限2万円(障がい者・65歳以上がいる世帯は上限3万円)。消費税分は自己負担で、制度の利用は1回限りです耐震シェルター・防災ベッド:1世帯上限30万円。昭和56年5月以前の自己所有の木造戸建で、区の診断により耐震性が不足と判定されたもの。耐震改修工事助成との併用はできません
🛠 住宅改良助成制度(上限30万円・★65歳以上がいる世帯は対象外)
助成額:上限30万円。「対象工事費(税抜)の20%」「工事種類ごとの上限額」「30万円」のうちもっとも安い額が助成されます工事別の上限例:浴室の段差解消=14万円/箇所/和式から洋式トイレへ=8万円/箇所/耐震ドア=8万円/箇所/浴室暖房=3万円/箇所/手すり=3千円/m/屋根の軽量化=3千円/㎡/間取り変更=1万5千円/㎡★重要な注意:世帯に65歳以上または要支援・要介護認定を受けた方がいる場合、この制度は使えません。高齢者住宅改修事業または介護保険の住宅改修へ案内されます要件:自己が居住する住宅(分譲マンションの専有部分を含む)。施工者は原則として区内の業者。内定前の契約・着工は対象外で、予算に達すると締め切られます補足:マンション共用部(手すり・スロープ・エントランス扉)のメニューもありますが、そちらは共用部の工事=管理組合等が主体です
🧱 ブロック塀等カット工事助成/みどりを増やす工事費助成
ブロック塀のカット工事:延長(m)×2万円と実工事費(税抜)の少ない方/フェンスの設置=延長(m)×3万円と工事費の4分の3の少ない方★前提条件:高さ1.2mを超え、道路・通路・公園に面していること(隣地境界の塀は除きます)。さらに区の耐震アドバイザー派遣(無料)で危険と判定されたものが対象です。不動産の販売・賃貸業者は対象外ですみどりを増やす工事費助成:接道部の緑化・建築物上の緑化それぞれで交付限度額30万円(生垣とフェンスの併用型は助成金額が2分の1になるなどの要件があります)注意:緑化助成は着工2週間前までの申請が必要です。補助率の詳細は区の資料側にあるため確認してください
☀ 省エネ・脱炭素の補助(★予算枠制で次々受付終了します)
太陽光発電+蓄電池:太陽光=1kWあたり6万円・上限24万円(区内事業者を利用すると1kW7.2万円・上限28.8万円)/蓄電池=上限5万円(区内事業者なら6万円)。現在は2期を受付中(1期は終了)そのほか:ZEH・東京ゼロエミ住宅=国・都の補助額(住宅部分)の3分の1・上限30万円/エネファーム=5万円(残りわずか)/戸建住宅向けEV充電設備=25,000円/節湯型シャワーヘッド=3,000円エアコン購入費補助:上限10万円。ただし対象は非課税世帯/均等割のみ課税世帯/児童扶養手当を受給するひとり親世帯に限られ、区内店舗で「東京ゼロエミポイント」を利用して購入することが条件です★受付終了したもの:省エネリフォーム補助金は令和8年8月21日、電気自動車等購入費補助金は令和8年8月31日で受付終了しています生ごみ処理機:税抜の本体価格の3分の2・上限30,000円(ディスポーザー式は対象外)。令和3〜8年度に補助を受けていないことが条件で、受付は令和9年3月15日まで(先着・予算上限で終了)
🏚 不燃化特区の解体・建替え助成(★区域限定・最大280万円)
解体助成:最大280万円(木造28,000円/㎡、軽量鉄骨造41,000円/㎡と実費、限度額のうち最も少ない額)建替え助成:解体費(最大280万円)+設計・監理費(最大70万円)+建築費に加えて、高齢者世帯には建築費加算が一律200万円。建築費の具体額は条件別の表になっているため、区へ確認してください固定資産税の減免:解体後の更地について最長5年度分・8割(一部10割)が減免されます★対象区域:西新井駅西口周辺地区/足立区中南部一帯地区(千住・梅田・関原・本木・西新井栄町 ほか、丁目単位で細かく指定)に限られます期間:制度は令和12年度まで延伸が決まっています
👶 出産・子育ての支援
🤰 出産費助成事業(子1人につき上限10万円・区独自)
助成額:出産費用と出産育児一時金等の差額に対して、子ども1人につき上限10万円(双子なら20万円)★居住要件:母が出生日以前から区内に住所があり、申請日時点で引き続き1年以上足立区に居住していること。子も出生日から区内で母と同居していることが条件ですそのほかの要件:出産育児一時金を受給していること。生活保護世帯は対象外です。申請は出産日から1年以内あわせて:スマイルママ面接を受けるとこども商品券1万円分が交付されます。低所得の妊婦には妊娠判定費用の助成(最大1万円)もあります
🏥 子ども医療費助成(高校生年代まで・食事代も対象)
対象年齢:出生から高校生相当年齢(18歳に達した日以後の最初の3月31日)まで(令和5年4月1日から高校生年代へ拡大)自己負担:保険診療の自己負担分を助成(窓口負担なし)。予防接種・健診・差額ベッド代・大病院の紹介状なし初診料などは対象外です所得制限:ありません(公式に明記されています)★令和7年10月から拡大:入院時の食事代(食事療養標準負担額)の助成も始まりました注意:学校管理下のケガはマル乳・マル青では医療証を使えません(マル子は使えますが災害共済給付の申請が必要です)
🍚 学校給食費の無償化/教育費の負担軽減(入学準備金10万円)
給食費:令和5年4月から区立中学校、令和5年10月から区立小学校で給食費が無償です(所得制限の記載はありません)。重度の食物アレルギー等で毎日弁当を持参する世帯には代替の補助があります★入学準備金(区独自・令和7年度開始):新1年生1人あたり10万円(私立を含みます)。ただし令和8年度入学者の申請は令和8年1月30日で終了しています。令和9年度入学者向けは申請書の発送が12月上旬、初回振込が2月上旬の予定です補助教材費・行事費:区立学校の在籍者全員分の補助教材費を区が負担(一部自己負担あり)。小5・6、中1の自然教室の食事代、中3の修学旅行費も区が負担します高等学校等入学準備助成:一律10万円。区在住の中学3年生で進学先が決まり、令和9年2月1日時点で就学援助の準要保護世帯として認定されていることが条件(生活保護受給世帯は対象外)
🆓 保育料の無償化(★0〜2歳の第1子無償化は東京都の制度です)
国の制度:3〜5歳児クラス、および住民税非課税世帯の0〜2歳児クラスが無償★都の制度:令和7年9月1日から、認可保育所・認定こども園(長時間)・区立認可外・小規模・家庭的・事業所内・居宅訪問型の「0〜2歳児の第1子」の保育料が無償化されました。これは足立区独自ではなく東京都の支援によるものです注意:区独自の0〜2歳児全面無償化は確認できませんでした認可外保育施設の定期利用補助:0〜2歳児クラスの課税世帯=80,000円/非課税世帯=合計80,000円/3〜5歳児=合計77,000円(令和8年4〜9月利用分)。令和8年10月利用分から内訳が一部変更されます。月120時間以上の月ぎめ契約が要件です
🏫 私立幼稚園の保護者補助金/フリースクール等の利用支援
入園料:上限100,000円(1園児1回限り)保育料等:未移行園=月額上限35,000円(内訳は国25,700円+都・区9,300円)/新制度移行園=国基準の保育料が無償になったうえで、特定負担額等が月額9,300円まで補助されます対象外:通園バス代等は対象外ですフリースクール等利用者支援助成金:小・中学生1人につき月額最大2万円(都の助成等を差し引いた自己負担額が上限)。区内在住で、東京都のフリースクール等利用者支援事業の交付決定を受けていることが条件です
🩺 特定不妊治療費(先進医療)助成/産後ケア
不妊治療の助成:1回の治療につき上限5万円。東京都の先進医療助成の承認決定を受けていることと、申請日時点で夫婦いずれかが区内に住民登録があることが条件です。申請は都の決定日から1年以内産後ケア(デイサービス型):自己負担は1回500円(昼食は別)。令和8年4月から産後5か月〜1年未満も利用できるよう拡大されました。定員を超えた場合は抽選です★確認が必要なもの:宿泊型・日帰り型・訪問型の産後ケアは令和8年4月1日から自己負担額が引き下げられましたが、引き下げ後の具体的な金額は確認できませんでした。区へお問い合わせください★窓口が東京都のもの:無痛分娩費用の助成、不妊検査等助成、不育症検査助成、「赤ちゃんファースト」(出生日が令和8年1月1日〜令和9年3月31日は13万円相当に拡充)は、いずれも東京都の事業で窓口も都です
💍 結婚・移住・定住の支援
🎓 奨学金返済支援助成(社会人向け・最大100万円・区独自)
助成額:申請の前年中に返済した額の2分の1(上限10万円/年)。最長10年・最大100万円(毎年度の申請が必要です)定員:250名。超過した場合は収入の低い方から決定されます対象の奨学金:足立区育英資金、東京都育英資金、日本学生支援機構の第一種・第二種、都の母子父子福祉資金、社協の教育支援資金、交通遺児育英会、あしなが育英会を本人名義で借りて高校・大学等を卒業(中退を含む)した方★居住要件:申請日において引き続き6か月以上足立区に居住していること(足立区育英資金の返済分のみ区外でも可)所得要件:令和8年度の区市町村民税の「税額控除前所得割」が81,600円以下(目安は単身世帯で年収340万円程度)★申請期間:令和8年度は令和8年7月21日〜9月18日(厳守)。年度により変動するため、区のページで確認してください
🏘 住まいに困ったときの支援(家賃助成ではありません)
住居確保給付金:離職・減収等で住居を失うおそれのある方への家賃支援です。国の制度で、窓口は区ですあだちお部屋さがしサポート:住宅確保要配慮者の入居を支援する事業です(住宅セーフティネット)★注意:高齢者世帯向けセーフティネット住宅の家賃低廉化補助は、賃貸人(オーナー)向けの制度です。借主である個人が直接受け取るものではありません補足:一般のファミリー世帯向けの家賃助成は確認できませんでした
⚠️ 結婚新生活支援・三世代同居支援・住宅取得補助は確認できませんでした(2026年時点)
足立区の「補助金・助成金一覧」にも住宅関連のページにも、結婚新生活支援事業に該当する制度は掲載されていませんでした。
★また三世代同居・近居支援(三世代住宅建設助成など)、区独自の住宅取得助成も区公式で確認できませんでした。住宅関連の入口ページ「助成・減税」に掲載されているのは「住宅用家屋証明書」と「住宅改良助成制度」の2件のみです。民間のまとめサイトにこうした制度の記載があっても、区公式で裏付けが取れないため、このページでは採用していません。
なお移住支援金も確認できませんでした(東京23区は国の移住支援金では原則「転出元」側にあたります)。定住を後押しする制度としては、上で紹介した奨学金返済支援助成が実質的に機能しています。
タイプ別|あなたが対象になりそうな制度
「結局どれが自分に関係あるの?」という人向けに、暮らし方のタイプごとに、チェックしたい制度をまとめました。
🎓 奨学金を返済中の社会人(足立区ならでは)
・奨学金返済支援助成(年10万円まで・最長10年・最大100万円)・★申請日において6か月以上足立区に居住していることが条件・所得要件は税額控除前所得割81,600円以下(単身で年収340万円程度が目安)・★定員250名で、令和8年度の申請期間は7月21日〜9月18日でした
👨👩👧 子育て世帯
・出産費助成が子1人につき上限10万円(双子20万円)/1年以上の居住が条件・区立小中学校の給食費が無償/新1年生には入学準備金10万円(私立含む)・子ども医療費は高校生年代まで自己負担なし・所得制限なし(入院時の食事代も対象)・フリースクールの利用に月最大2万円
🏡 古い家・水害対策をしたい人
・耐震改修は工事費の9割・上限150万円(新耐震の特定地域なら200万円)・止水板の設置に2分の1・上限50万円・感震ブレーカーは一般2/3・5万円/65歳以上等の世帯は全額・8万円・不燃化特区なら解体最大280万円+高齢者世帯の建築費加算200万円
申請するときに気をつけたいこと
補助金・給付金を使うときは、次の3点をおさえておくと失敗しにくくなります。
⏰ ①予算枠制で次々と受付が終わります
足立区の省エネ系の補助はすべて予算枠・先着で、年度の途中で終了していきます。令和8年8月21日に省エネリフォーム補助金、8月31日に電気自動車等購入費補助金が受付終了し、エネファームやLEDは「残りわずか」と表示されています。区は補助金の受付状況を一覧ページで随時更新しているので、申請前に必ずそちらを確認してください。
🚫 ②「使えない条件」に注意してください
住宅改良助成制度は、世帯に65歳以上または要支援・要介護認定を受けた方がいると使えません(別の制度に案内されます)。耐震シェルターは耐震改修工事助成と併用できず、ブロック塀のカット工事は先に無料の耐震アドバイザー派遣で危険と判定される必要があります。また止水板・感震ブレーカー・住宅改良助成は、いずれも交付決定・申込の前に着工すると対象外です。
🏛 ③ 窓口が「都」の制度が多くあります
0〜2歳児の第1子の保育料無償化は東京都の制度で、足立区独自のものではありません。また無痛分娩費用の助成、不妊検査等助成、不育症検査助成、「赤ちゃんファースト」、東京ゼロエミポイントは、いずれも東京都の事業で窓口も都です。区の助成には、これら都の決定を前提に「上乗せ」する設計のもの(ZEH・ゼロエミ住宅、特定不妊治療の先進医療、フリースクール、エアコン)が多いので、まず都に申請してから区へという順序に注意してください。
まとめ|足立区の補助金は「使えるものを知る」ことから
足立区でユニークなのは、社会人向けの奨学金返済支援助成です。前年に返済した額の半分(年10万円まで)が助成され、最長10年で最大100万円。申請日に6か月以上区内に住んでいることが条件で、実質的な定住支援として機能しています。定員250名なので、対象になりそうなら申請期間を逃さないようにしたいところです。
防災面では、都の被害想定で23区最多の被害が見込まれたことを受けて耐震助成を拡充中。木造住宅の耐震改修は工事費の9割・上限150万円と手厚く、水害対策の止水板にも2分の1・上限50万円の助成があります。
子育て面は、出産費助成が子ども1人につき10万円、区立小中学校の給食費は無償、新1年生には私立を含めて入学準備金10万円。ただし省エネ系の補助は年度途中で次々に受付が終わるので、区の受付状況ページを確認してから動くことをおすすめします。